モーテンソンだより(その17: 6/12 - 休日編2)

6月12日(日)

スケジュール表による今日の予定

Free Day (^^)v

週末“連休”の二日目だ。
日本でも週末連休というのはあるのだけど、どちらか(あるいは両方)なにか予定が入って、自分の思い通りに使える週末の連続二日というのはなかなか記憶にない。

今日の午前中はミヤンの提案で「禅」道場に行った。

道場それ自体はある程度の距離はあるものの歩いていける距離だった。9時に宿舎1階のロビーでミヤンとスパスカと3人で待ち合わせることになっていたのだが、誰も来ない。10分ほど遅れてミヤンがやってくる。なんでもアフリカグループから、プレゼンテーション資料を作るにあたっていろいろ相談を持ちかけられたらしく、それで出るのが遅れたらしい。またスパスカは先に出て、宿舎から5分ほどのところにあるスターバックスでコーヒーを飲んでいるのでそこで合流することになっているという。
しかし、そこに行ってもスパスカはいない。探しに宿のほうに歩いて戻っていくとスパスカは歩いてきた。寒いので上着を取りに行ったので出るのが遅くなったという。
そんなこんなで出るのがずいぶんと遅れてしまった。昨日の夜地図で道順は確認してあったので、ほぼ順調に道場を探し当てる。

しかし出がけに時間がかかったことがアダとなって、道場での禅の開始時刻に遅れてしまい、しばらく待たされることになった。そのうちスパスカは、理由はわからないが帰ると言い出して先に帰ってしまった。残ったミヤンと私は、少し待った後道場に入れてもらうことができたので、そこで座禅を組んだ。私としては座禅というのは初めての経験である。

なんで座禅の初体験が米国?

ミヤンは国にいるときからこうしたところへ通っているらしい。彼女は仏教徒で、仏教徒であることは禅をすることとイコールらしいのだ。
私は帰り道で、日本の仏教では禅宗はむしろマイナーで、念仏宗のほうが多数派であることを説明した。そういうものか、と、まあ状況はある程度理解してくれたようだ。

今日は禅が終わったら、その近くにあるシャンペーンの公共図書館を見学することにもなっていた。日曜日は13:00から18:00までの開館である。

道場からあまりに近いので、12時には着いてしまった。1時間待たなくてはならない。昼時でおなかもすいてきたので、近くの中華料理店に入った。入ってから気づいたのだが、そこはシャンペーンに着いた初日(5月28日)、野口さんに連れてきてもらった中華レストランだった。

そこで牛肉を炒めたもの("TERIYAKI"とメニューにはあった)とエビチャーハンを頼む。どちらもスモールサイズ(SM)を頼んだのだがやはり量は多い。"TERIYAKI"についてきたライスを多少残した以外はなんとか食べた。

レストランを出た時、ちょうど開館間際になったので図書館に戻った。
開館待ちの人が入り口前で多数待っている。

この図書館は2008年に開館したようだ。とってもきれいで、ガラスを多用した明るい建物だ。

入ってから、館内の写真をとりまくる。日本だとずいぶんと遠慮してしまうが、利用者を写さないということを守れば(これは日本も同様である場合が多い)、けっこう自由に撮らせてくれる。

どうしてもサインが気になる自分に、"ASK HERE"というサインが目に飛び込んできた。この図書館、2階の中央に、いわゆるレファレンスを中心としたサービスポイントを設置しており、そこのサインがこれなのである。


当館の「資料相談カウンター」という名称も、「参考調査」とか「レファレンス」といった、一般の日本人には何のことだかわからない用語を使うよりは数段よいとこれまで思ってきたのだが、これはその上手を行くと思った。
ちなみに、日本の図書館で“カウンター”といっているところを米国ではそうは言わず、おおむね“サービスデスク”と言っているようだ。昔、司書資格を取るために講習に通っているころ、ある講師が、「“カウンター”という名称はサービス機関としてはふさわしい名称ではない」といっていたことを実はずっと覚えていたのだが、それを目の当たりにしてしまった。たかが名前などとは考えたくない。名は体を表すからである。こうしたところからサービスの基本を考えていきたいと改めて思った。

利用者へのちょっとした気遣いから、資料のディスプレイに至るまで、いろいろ工夫が凝らしてあって面白い。

ちなみに米国図書館での"READ"ポスターは定番である。アメリカ図書館協会(ALA)が毎年のように著名人をモデルにして作成しているポスターだ。
私は私立大学図書館協会東地区部会研究部の企画広報研究分科会に参加していた際、仁上幸治さん(当時早稲田大学図書館、現在は帝京大学)にこうしたあたりのことをいろいろ教えてもらい、大変勉強になった。ALAの図書館界牽引車としての力強さを再確認できたように思った。

また空調も床から冷気が上がってくるタイプのものを使用していた(日本でもどこかの図書館がこの方式を採用していたはずだが、どこだか思い出せなかった。)

この図書館の地下には、不要となった資料を廉価完売する場所があった。それらを売って図書館の財源とするためである。日本の図書館でもこうした取り組みをするところは増えていると聞いているが、常設の販売場所があるというところはどれくらいあるだろう?

このスペースではトートバックも売っていた。なかなかおしゃれなデザインだと思う。
この時代、ブランディングはとっても重要なんだと改めて思う。


帰ってきたのは15時くらいだった。途中、CountyMarketによって日用品をいくつか買った。
ミヤンはふだんほとんど歩くことがないといっていた、。今日はけっこう長い距離を歩いて戻ってきたので、なんだかヘトヘトだったみたいだ。

それから少し昼寝。起きてから地下のジムで軽くトレーニングをし、シャワーを浴び、夕食を作って食べた。
夕食を作る直前、部屋に電話があり、外で夕食を食べないか、と誘ってもらったが、せっかくだけどと断った。こうしたところは自分のペースを維持したい。

明日から研修が再開する。

プレゼンテーション資料については、スーザンが添削してくれたものを再度確認し、自分がこうしたいということを反映させ、スーザンに送りコメントを求めた。これは明日、何か指摘をしてくれるだろう。

モーテンソンでの研修はあと1週間強。
終わりが少しずつ見えてきた。