モーテンソンだより(その24: 6/19)

6月19日(日)

スケジュール表による今日の予定

  • 7:00 am / Meet transportation at Illini Tower for trip to Chicago, Illinois

予定表にはこれしか書かれていないし、追加で何かを渡されたわけではない。
なんだかよくわからなかったのだけど、ともかく月曜日はALAに行くということだけは把握していた。

しかし、よく考えれば、今日は日曜日である。来てみて気付いたことだが、今日はやはり「休日」として扱われているんだと思った。そういえばスーザンは、けっこう前から「シカゴではどこに行きたい?」などとレジャー感覚でシカゴに行った際のことを質問してきていた。今考えれば、「観光」としての一面を持っているのが、今回の小旅行なのだろう。

さて、ともかく7時集合である。

昨日は休日でありながらドタバタと過ごし、特に最終日のプレゼン原稿を英文で作成するのにかなりの時間がかかってしまった。寝たのはけっこう遅かったのだが、その作成した原稿をプリントアウトしてシカゴに持ち込み、チェックする必要を感じていたので、朝早くに起きて出力をしようと思っていた。

昨晩は、原稿作成作業の一環で、あるファイルを出力しようとPCルーム(イリニタワーの1階にある)のパソコンからプリントをしようと思ったのだがプリンタが動かなかった。ジョブは送られているのだが、そこから先に送られていない。自分の職場であればプリンタの電源をいったん落とすなど、ある程度勝手がわかるのだが、ここは何をやってよくて何をやっていけないのかがよくわからない。結局スタッフに頼んで見てもらったが彼もわからないようだった。結局、スタッフ・ルーム(実際はタワーの受付だが)のほうで出力するから来いという。そこでデータを読み込んで出力してもらった。

そういうわけなので、今朝も出力しようとしても同じことになるだろうと思ったら、やっぱりそうなった。
再びスタッフのところへ行き、事情を説明した。彼(昨晩の担当者ではなく、交代していた)はすぐに了解してくれて、昨晩と同じように出力をしてくれた。タワーでは印刷の際に使用する紙は自前でやるというルールなので、昨晩の分も含め、ある程度の枚数を、「自分の分だ」といって置いてきた。

余計な話だが、こちらでこうした紙を買おうとする場合、500枚というのが一つの単位のようで、それ以上小分けにして売っているのはいまだに見ていない。そんなに使うことはないのに、と思いつつもそれしかないので、それを買って部屋に置いてある。
# 最後はどうするか?

さて、朝はともかくこうしてやっておかなくてはと思うことがあったので、5時半に目覚ましをセットしておいた。実際に目が覚めたのは5時前だったので、そこで起きてシャワーを浴びたりメールチェックをしたりして時間を過ごし、早くなさすぎない時刻に下に降りて、プリントアウトを依頼したわけである。

朝食を済ませ、時間に間に合うように降りたら、すでにみんなは降りてきていた。しかし韓国の二人はいない。聞いてみたら、昨日からすでにシカゴ入りをしているということだった。

バスに乗る。運転席のJBは、なんとスカイブルーのシャツにネクタイを締め、おまけにしゃれた帽子をかぶっていた。ベテランのジャスメンみたいな出で立ちだ。いつもはTシャツ、Gパン、キャップなのに。ニッキーが"Good looks!"とほめたらJBはうれしそうに"Thank you"と答えていた。何かシカゴで特別な用事があるのか? 

シャンペーンからシカゴまでは北(正確には北北東というべきか)に137マイル(220キロ)、2時間半ほどのところにある。オハイオまでの半分くらいか。イリノイ大学に来る時には、飛行機でシカゴ経由シャンペーン行きだったので、この逆へ向かっていたわけだ。

シャンペーンを出るときには小雨、その後本降りの区間が続き、どうなる事かと思ったが、シカゴの手前で雨はあがり、到着したときにはよい天気となっていた。

シカゴには10時前に着いた。宿泊するホテルに荷物をいったん預け、15時集合ということでフリータイムとなった。時間は5時間。街をぶらぶらしてもそのくらいはすぐ過ぎてしまうし、どこか博物館なり美術館へ行くとすれば、ピンポイントで1か所を選ぶしかない。

シカゴの地理がまったく頭に入っていないので、近くのマクドナルドに行ってコーヒーを飲みながら(ちなみに、コーヒーはどんなサイズでも1ドルだった)ホテルからもらった地図と、日本から持って行った『地球の歩き方』でどうするかを考えた。

いくつか行き先を検討したが、結局、シカゴ歴史博物館に行くことにした。けっこう離れてはいるが、旅行先で長い距離を歩くことは苦にしないので、写真でも撮りながらブラブラいけばいいだろうと考えた。

1時間ほど歩いて博物館に着いた。途中にはいくつもの近代的、現代的高層建築物があったので、写真を撮りながらのんびり歩いた。シカゴはともかく建築物がものすごい。

 

博物館は日曜日は12時開館となっていた。

少し早目についてしまったので、昼食代わりにと思い、近くのスーパーのような店に入り、サンドイッチを買った。私はスーパーの中をうろつくのが好きなので、そこでもうろうろしていたのだが、バースデー・カード売り場にものすごい広さが割かれていたので、つい立ち止まって見てしまった。よく見ていると、アメリカン・ユーモアが満載のカードがいくつもあり、思わず買ってしまった。こうした「お土産」はみやげ物屋でも、ましてや免税店でも手に入らない。

清算はなんとセルフレジだった。こんなのは見たことがなかった(東京あたりにはあるのだろうか?)。

機械にガイドされた通りにやればいいのだろうと思ってやってみた(画面の言語は英語とスペイン語の選択ができるようになっていた。この辺は人口構成に関する最近の米国の事情を反映している)。でも商品のバーコードの読み取りからしてうまくいかない。一つ目は読めたものの、次のものが読まれな。そうしたら店員がやってきて、読ませたものはこっちに置くんだというようなことを教えてくれたら、事実次のものが読めた。しかし今度は支払いの段階でクレジットカードをきちんと読んでくれない。何度かスロットを通したらなにかレシートのようなものが出てきたので、支払いは済んだのか自信はなかったのだけど、おずおずと店を出ようとした。その時、店員から声がかかり、支払いは終わったのかという。たぶん、と答えたものの、店員がマシンをチェックしたらまだ終わっていなかった。ここにキャッシュ(札)を入れればいいと教えてくれたのでその通りにやってみたら、あっというまに支払いは済んでしまった。

ガイドブックによると、博物館の展示はビジュアルで楽しめるとあった。事実、シカゴの歴史が文章だけでなく、多くの歴史的資料(モノである)によって知ることができた。

それをいちいち書いているわけにはいかないのでやめておくが、私の印象に残ったものの一つは、壁に書かれていた"ever changing"という文字である。永遠に変わっていくシカゴ、というようなことを言いたい文章だったのだと思う。
あとはやっぱり、NBAシカゴ・ブルズの黄金期の資料である。マイケル・ジョーダン、ロッドマン、ピッペン、クーコッチといった懐かしい選手の集合写真と、キャプテンであったピッペンのユニフォームとシューズが展示してあった。当時の試合の様子もビデオで流れたいたが、ジョーダンのすごいプレーは懐かしかった。

ホテルに戻った後は、ふたたびフリーである。

私は21日のプレゼンテーションの準備のため、夕食を買いにに出かけた以外は(日曜日なのでレストランはほとんど開いていないし、ともかく量が多いのでレストランは敬遠する傾向にある)、ホテルの部屋で原稿のチェックをしていた。結局前日書いたものの3分の2くらいを書き換えることになってしまった。

夕食を買いに出た際、あまりに長く歩いて汗をかいたのでビールを飲みたくなり、入ったコンビニで買おうとした。しかし、扉はロックされており、自由に開けることができない。開けるにはIDが必要だとか書いてあった。どうすればいいのかわからないのでしばらく近くに何気なくたって、誰かがどうやるかを見ていたのだが、後からの人間もどうすればいいかわからなくてあきらめてしまったので、結局どうにもならなかった。レジでパスポートを見せればよかったのだろうけど、そこまで動き出しができなかった。たぶん、子どもなどが買うことを防ぐためなのだろう。去年行ったフィラデルフィアでもアルコールへの規制の厳しさを感じたが、最近は多少変わってきたといっても日本はその点甘い(見方を変えれば天国)ということなんだろう。

ということで「シカゴの休日」は過ぎて行った。