モーテンソンだより(その9: 6/4)
6月4日(土)
スケジュール表による今日の予定
- 5:15 pm / Meet at Illini Tower fofr transportation
- 5:30 - 8:00 pm / Dinner at the home of Richard and Susan Schnuer
今日は土曜日。夕方から副所長であるスーザンの自宅でディナー(といってもカジュアルなホームパーティ)が予定されているだけである。
とはいっても、昨日、朝9時に集まって郊外(方向音痴なもので場所はどこだかよくわかってない)でやっている朝市に行こうということにしてあったので、10人のうち、6人で繰り出した。あらかじめもらっていたバストークン1枚で片道はOKである。それにしてもみんなパワフルである。休みだから部屋で休んでいようなんていう(私のような)気はさらさらないようだ。
バスで10分ほど(だったと思う)行ったところで降り、ショッピングモールを歩いて抜けたところで朝市はやっていた。落ち合う時間を申し合わせ、めいめいが気の向くままにブラブラとする。
草花、パン、Tシャツ、工芸作品、などがブースごとに置かれていた。ストリート(スクエアー?)・ミュージシャンが演奏を披露していたりもした。
ブースの一つに、Urbana Free Library(公共図書館)のブースがあった。そこでは利用登録を受け付けていた。うーん、さすが米国の公共図書館である。いろいろな場で利用の機会を拡大していこうというセンスに感心する。「登録するか?」と聞かれたので、「いや、ビジターだから」と言って断ったが、ブースにあったグッズ(なにに使うのかよくわからない。日本では印鑑を押す際、下に引く敷物のように見える)をひとつもらった。
http://www.urbanafreelibrary.org/
なにかひとつ買おうと物色し、結局、シャンペーンの文字の入ったTシャツを1枚購入した。18ドル。
11時にみんなと落ち合って、ショッピングモールをブラブラする。女性の衣類を売っている店で1着50セント・オールのバーゲンをやっていた。一緒に行ったほとんどの女性が立ち止まり物色を始めた。どこの国でも一緒の風景か?
のんびりとした時間が流れる。
バスで宿舎近くまで戻り、いったん別れる。昼食をレストランで摂る人とそれ以外。
私は部屋に戻り、買い込んであった食材で簡単な昼食を作る。
メールをチェックするが週末ということもあり、それほどは入ってきていない。昨夜は職場から仕事関係で対応しなくてはならないメールが入っていたのでいささかあわてたが、今日はそうしたことはなさそうだ。
少し昼寝をした後、読書。
5時15分に宿舎のロビーに集合だったので、身支度を整え、エレベータで降りていく。
移動で使うバスはいつも同じで、運転手はBJ(と書くのか、みなそう呼んでいる)。今回はジェイミイが道案内役だ。
車内が暑いせいか、BJはいつも乗降用のドアを開けっ放しにしているのが気になる。ポリスのお世話になることはないのだろうか。
スーザンの自宅は、大学からはずいぶんと離れた郊外の住宅街にある一戸建ての家だった。それほど広大な家ではないのだけど、広いキッチン、リビング、ゲストルームもあり、地下には広いオーディオルームまであった。壁にはいろいろな国の工芸品などがかけられたりしていた。
空調は、しくみはよくわからないが、寒い時暑い時にそれぞれ暖気冷気が自然に循環するような仕掛けを導入しているのだそうだ(と理解した)。
バーバラさん、図書館長のポーラさん、いろいろお世話になっている野口さん、大学の図書館の人とその家族、コーディネータのケイティ、そしてスーザンの旦那さん、大勢が集まってにぎやかになった。
旦那さんは外でバーベキューのための肉や魚を焼いてくれた。こうしたことは男の役割なんだそうである。料理は好きだと旦那さんは言っていた。「男の人はこういうとき話し相手になってあげるといいのよ」というようなことをスーザンに言われたので外に出て、たどたどしく会話をする。どのくらい滞在するのか、ジャズが掛かっていたので、ジャズは好きかなど、ごく普通の話題ではなしが続く。飲み物は、最初はソフトドリンクから始まったが、ワインやビールもふるまわれ、よい気持ちになる。バーバラさんは赤ワインが好みだとのこと。
テーブルに置かれた料理から、めいめいが好きなものを取り、適当な席に座り、人によっては外のテラスに出て、食べながら話を弾ませる。時間は7時を過ぎても明るく、雲が多少出てはいたものの、平らな地平線が続く西の空は広大で美しい。
なんだかとってもアメリカである。
イリノイ大学図書館の男性(自分はカタロガーだと言っていた)と話していた際、日本の大震災のことを心配してくれた。政治状況についても知っているようで、(首相の辞任問題などのことを言っていたのだと思う)あれで大丈夫なのか、と心配してくれた。ほんとにその通りだ。情けない。
デザートになって、受講者のほうからいくつか持ち込まれたお土産が出された。ウガンダのRachealは誕生日だったようで、エジプトのヘバとラシャの2人がケーキを持ってきていた(どこで作ったのか、買ったのか?)。みんなでハッピー・バースデイを唄った。
朝市に行ったイタリアのシメネとブルガリアのスパスカはそこで買ったパイを持ってきた。私はこのタイミングがいいだろうと、本学の名前入りのクッキー(手土産としてどこかで渡そうと思って持ってきていた)を持参していたのだがそれも出してもらった。クッキーには、本学のシンボルマーク、「人間愛」の文字、などが描かれており、「ノリ、これはなんだ、説明しろ」ということになり、ひとしきり盛り上がった。(ちなみに私は、最初のバーバラさんの自宅でのウェルカム・パーティでの自己紹介の時、"Nori"と読んでほしいと言っておいた。自分の名前を欧米の人がその通りに呼ぶのは難しいと前から思っていたので、そのようにしたのだ。)「特に「人間愛」とはどんな意味か、と聞かれ、"Human Love"としか答えることができなかった。これを日本語の世界で説明している通りの意味を英語で説明するのは至難の業だと思う。韓国のキムは「人間愛」の文字はわかったそうである。さすが隣国の人。
なにはともあれ、大学の広報もできる範囲でやれればと思っていたので、それが少しできたのでホッとした。
過度な演出は好むところではないが、十分な会話ができない分、着ているもので話題づくりができればと思い、沖縄の「海人」のポロを着ていった。
シメネは感性の豊かな人で、めざとく、「それはなんという意味なのか?」と聞いてきた。"Ocean People"という意味で(本当に正しいか?)、沖縄の人のことだ、という説明に、納得してくれたようだった。
8時過ぎ、スーザンの自宅を辞する。旦那さんは滞在を楽しんでくれたまえ、と言ってくれた。物腰の柔らかい、知的な感じのする、素敵な男性だ。
そのまま帰るのかと思いきや、だれが情報を見つけてきたのか、ダウンタウンでフェスティバルがあるからそこに行こう!ということになり、みんなでバスを途中下車し(JBとジェイミイはそのまま帰った)、30分ほどステージを観る。
帰りはバス組と徒歩組に分かれ、私は5人の徒歩組に入り、20分ほど歩いて宿舎まで戻った。遠くで雷が鳴っており、宿舎近くに来ると稲妻が光った。強い雨が来るかと思ったが、こちらには来なかった。
明日はほんとうになんにもない1日だ。